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初音さんの二十日間
第5章 週末の爆弾
翌朝の私の顔ときたらぽってりと腫れ上がり、まるで別人のようだった。あまりの天然変顔に自撮りしたぐらいだ。

「土曜日でよかった」

アイスノンを目元に押しあて、スマホをチェックする。

山辺からのメッセージが一通。

ーーすまなかった。つい

「つい?」

つい…我慢できず?
つい…意地悪したくて?
つい…???

歯切れが悪い山辺が珍しく、私も「つい」返信しそうになる。いけない、週末だ。
いや、週末じゃなくても、もう彼と不必要につながることは止めるべきだ。


コーヒーを淹れて時計を見ると10時を過ぎている。
いつもならとっくに起きて、寝癖でウロウロしてるはずの柊二くんがリビングにいない。

つい数日前までひとりが当たり前だったのに、人の気配がしない我が家の空気に味気なさを感じてしまう。

やだ、具合悪くて起きれないんじゃないよね。
居候部屋を慌ててノックするも応答がない。

「しゅ、柊二くんや、生きてるかい!?」

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