この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
初音さんの二十日間
第5章 週末の爆弾
血相を変えて開けたドアの向こうで、柊二くんは静かに勉強していた。
折り畳み机に向かい問題集を開いている。

「よかったぁ、生きてた」

が、様子がおかしい。

問題集の一点を見つめ、動かない。右手に握ったシャーペンはノートの上10センチのところで宙に浮き、寝癖が揺れる気配もない。

大丈夫?と声をかけようとすると、

「わかった!!」

止まっていた右手が勢いよくノートの上を滑り出し、あっという間に数式が並んでいく。

私はそっと後ずさり、ドアを閉めて息を吐いた。

ひゃー、すごい集中力!
なんじゃありゃ!

定期考査は一夜漬け、センターで撃沈し、そのあとの一般入試は安全圏オンリーで受験を終えた私には備わってない能力だわ。あんなに集中して、血管切れなきゃいいけど。

ドアにへばりついて様子をうかがう私はまるで、夕鶴の与ひょうだ。


何か美味しいお昼ごはんでも考えようか。
邪魔をしないよう、抜き足差し足でリビングへ戻った。

/172ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ