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純の恋人
第7章 真実の破片
実家。事故を揉み消そうとした父なら、証拠を破棄する理由がある。今の時点で、証拠を持ち去ったのがストーカーか父かは、断定できそうにはなかった。
「純、この部屋にそのまま住んでいて大丈夫なの? 私のところに来た方がいいわ」
「でもお姉ちゃん、彼氏と二人暮らししてるって前に話してなかった? つまり、松永さんと暮らしてるって事でしょ?」
「僕の事は気にしなくていいよ、純。純は僕の妹になるんだから、遠慮する必要はない」
思わぬ申し出にどうしようかと考え始めると、国重さんが私の頭に手を乗せる。そして私の考えも聞かないうちに、勝手に答えを出してしまった。
「それは問題ない。盗撮や盗聴する機械の類が今仕掛けられていないのは確認済みだし、鍵も新しいものを手配している。二、三日の間に届くはずだ。俺もここで護衛している」
「え? 護衛って、純、それじゃイド君は」
「それとこれとは別問題だ。大体、恋人のいる女が、他の男と接触してはならないなんて法律はないだろう」
「それはそうですけど、でも……」
姉は納得がいかないようだけれど、反論も出来ず黙ってしまう。