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純の恋人
第7章 真実の破片
「そしてもう一つ、気になる繋がりがあります。土居記念病院は、あなたの父――吉川氏へ頻繁に献金しているんです。これは特に違法なものではなく、正式な手順を踏んで渡されていますが……病院を挟んで、狩野組と政治家が繋がる可能性もあるでしょう」
「父が……」
私を快く思っていなかった父。選挙に都合の悪い私を封じ込めるために、ひき逃げしたんだろうか。
「あれ……でも私、特に何もなく退院しましたよ。犯人が誰にしろ、病院送りが目的なら、何もなく退院なんて出来ないんじゃ」
父が犯人なら、選挙が終わるまでは意地でも退院させないはずだ。ストーカーが犯人だとしても、閉じこめておいて特に何もせず逃がしはしないだろう。私が首を傾げれば、若頭は顎に手を当て眉をひそめた。
「本当に、何もなかったと言えますか? 犯人は病院と暴力団、二つを利用しています。それで最後自由にする訳がない。あなたが気付いていないだけで、犯人はあなたを病院送りにして目的を達成しているはずですよ」
「病院で、何か……と言われると」
私は、病院で三人の男性に出会った。