この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
純の恋人
第8章 不信
 
 カナと話をする別件。なんとなくだけれど、予想がつく。人気のバンドメンバーが、仮面を外したら女じゃなくて男だった、なんて話題になるのは間違いない。カナに会わせるのはサービス、なんて言っていたけれど、ビジネスチャンスを見逃さなかっただけだろう。

「若、アンジュさん、呼ばれて飛び出て成実参上っス!」

 外で待機していた成実さんに、私は外へ出るよう促される。若頭の店で働いているカナにとって、これから提示される話は私以上に選択肢のないものだろう。でも、それはまた別の話。私はとにかく、前を見なくちゃいけない。

「成実、純さんをお願いしますよ。明日は僕も忙しくて来られませんから、宮城と話す際はあなたが責任を持って守りなさい」

「言われなくとも、マイ神であるアンジュのためなら全力前進っス!」

 成実さんは若頭へ敬礼すると、私に満面の笑みを浮かべる。極道とは程遠い明るさは、私を安心させた。

 一度掴めば、繋がり始めた真実の糸はどんどん手繰り寄せられる。細く、長い糸でも、まだ切れる様子はない。けれど糸の先に何が括りつけられているのか。私はまだ、それを知らずにいた。
 
/246ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ