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純の恋人
第9章 彼の本性
私達が隣の空き地に移動すると、ようやく宮城さんも諦めたのか、抵抗を止める。そして私を後ろ暗そうな目で見ると、不満げな声を上げた。
「純、こいつ誰? なんで純をアンジュって呼んでんの? 思い出したの?」
「聞きたい事はこっちもたくさんあるんだけど。ミヤ、どこまでが嘘なの? 私とミヤが恋人だなんて、嘘だよね」
彼は――ミヤは、回りくどい言い方じゃ通じない。私は、多分過去の自分が接していた時と同じように、はっきりぶつかり合ってみる。するとミヤは、気まずそうに目を逸らした。
「だって……それは雅樹さんが嘘吐くから! あの人が嘘吐くなら、俺が嘘吐いたっていいじゃんか!」
「松永さんが嘘を吐いたのは、私を付け回したストーカーを見つけるためだよ! ミヤみたいに、自分勝手じゃない!」
「ストーカー……って、なにそれ。事故が事件かもとか、全然意味分かんないんだけど!」
「じゃあ分かるように教えてあげるわよ、あの日私はストーカーにつきまとわれて、その挙げ句ひき逃げにあったの! ねぇミヤ、ミヤは本当に何も知らないの!?」