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純の恋人
第1章 欠陥品の彼女
ベージュのカーテンで区切られただけの空間に、プライベートも何もあったもんじゃない。病院のベッドは固くて軋むし、音で何をしているかすぐに分かってしまう。
「ぁ……っ、ん」
もっとも、軋まない高級ベッドだったとしても、結果は同じだろうけど。
大人二人が乗るには狭いベッド。そこにうつ伏せで組み敷かれた私は、男を内に受け入れて枕を噛む。私の腰を掴んで揺さぶり、息を荒げながら淫裂を犯すその人は、私の知らない人だった。
「んっ……ぅ――」
私が堪えきれず絶頂に震えた瞬間、一番深くまで杭が打たれ、中に熱いものが放たれる。私はそれを引き込むように痙攣して、枕から口を離し息を吐いた。
私を犯した陰茎が引き抜かれれば、こぷりと白濁が溢れ出す。病院のシーツを汚すのは忍びないけれど、甘い痺れに浸る私にはどうしようもなかった。
「純」
すると私を犯した男が、私を仰向けにしてキスをする。絡む舌の味は、やっぱり覚えがなかった。
「……まだ、俺の事、思い出せない?」
そう訊ねるこの人の不安な視線を見れば、なんだかこちらの胸が痛んだ。