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純の恋人
第9章 彼の本性
「アンジュ、もう心配しなくてもいいよ。初めてはちゃんとオレがもらったし、これからはずっとそばにいるから」
「ん……はぁっ」
彼は繋がったまま私を地面に寝かせ、口付ける。落ち着いてきた頭は、ようやく彼の言葉を拾い始めた。
ずっとそばにいる。まるで、恋人みたいな発言だ。でも彼は、知り合いでもなんでもない他人。快楽から冷めると、見たくない現実が再び迫ってくる。
「ひ……ぁ」
今まで熱に浮かされていた体が、一気に沈む。いくら忘れたいと思っても、現実は変えられない。逃げても、目をつぶっても、私を追ってくる。
「離して……助け、て」
恐怖で固まった喉は、かすれて消えそうな声しか出せない。けれどそんな小さな拒絶にも、彼は目の色を変えた。
「なんでそんな事言うの、アンジュも気持ち良くて、イったでしょ? それとも、まだ全然足りない?」
「あぁんっ!」
彼が腰を一突きすれば、本能が引きつる。それを見て満足した彼は、また地獄に――でも逃避できる唯一の時間に、私を引きずり込んだ。
「オレが好きって素直に言うまで、何度もしてあげるからね」
地獄に落とされて、現実に戻されて、朝まで続く陵辱に、私は逃避しようのない絶望を刻まれていた。