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純の恋人
第9章 彼の本性
ただ、本能のままに感じればいい。その間は、何も考えないでいいんだから。忘れてしまえば――悲しみも辛さも、存在しなくなる。
私は彼の背中に腕を回し、支えにして腰を振る。私の中で固く勃つそれが、頼れるものだと思い込んだ。
「いい……も、はあっ」
「オレも、イキそう……中に、出していい? アンジュに、オレの子ども生んでほしいな」
彼は何か呟くけれど、私の耳はそれを言葉として処理しなかった。聞いてしまえば、また現実に戻される。必要としているのは、彼の肉棒だけだった。
適当に頷くと、彼自身がさらに膨らむ。限界も近いのか、それは中でびくりと跳ねていた。
「やっ……まだダメ、終わらないで……」
「そんな、嬉しいけど無理だよ。イった後落ち着いたら、またあげるから」
「んっ……あっ」
彼が下から突き上げて、私を追い詰める。限界まで来ていた私の体は、呆気なく彼に屈した。
「イク……やああーっ!」
同時に、中へ放たれる熱の固まり。全身を駆け巡る満足感に、私は息を乱しながら彼へ寄りかかる。痙攣の止まらない体は、もう何も覚えていない。ただ絶頂の波に漂うだけだった。