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純の恋人
第2章 三人の男
「純ちゃんが退院の日、オレも外出許可もらったから。一緒に家まで行くけど、いいよね?」
「え?」
「ほら、家に帰ったら、純ちゃんの日記とか、アルバムとかあるかもしれないじゃん? そういうの一人で見るの、なんか気まずいじゃん」
「でもイドさん、体調は大丈夫なんですか?」
「大丈夫じゃなきゃ、外出許可は下りないよ。あ、それともお姉さんが一緒かな? 嫌なら、無理についていったりはしないけど」
姉は確かに当日来るとは言っていたけれど、正直私は姉との距離を測りかねている。姉は確かに優しいけれど、記憶の中では冷めていたはずなのだ。突然すぎて、どうしても他人行儀が抜けなかった。イドさんが一緒に来てくれる、そう思ったら、気が楽になっていたのは本当だった。
「そこまでしてもらって、いいんですか?」
「全然大丈夫よー。むしろ純ちゃんのためなら、なんでもしてあげたいっていうか。こんな体で頼りないかもしれないけど、連れてってあげて」
相変わらず、イドさんは軽い。何も考えずに頷いても許される雰囲気だ。松永さんも送ると話していたけれど、それは断ろう。私はそう考えながら、首を縦に振った。