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純の恋人
第1章 欠陥品の彼女
けれど、そこの「主」はちょくちょく外へ顔を覗かせる。特に、私の見舞い客が帰った後には。今日も彼は、待ち構えていたかのように私のベッドの横へやってきた。
「まー、相変わらずお盛んだね」
ピンクの髪を逆立てた、病衣を着ていなければとても入院患者と思えない彼は、丸椅子に座って嫌らしい笑いを浮かべる。野暮な反応に居心地は悪いけれど、さっきまで私がしていた事を思えば何も言えない。むしろ不快な思いをしていたのは、彼なのだから。
「三人目の彼氏が一番イケメンだね。まあ、ホントに一番カッコいいのは、オレだけど?」
彼は自分の頬をさすりながら、田中さんの出て行った方を眺める。確かに、彼もイケメンだ。正確には、幼く見える顔付きが可愛いというべきかもしれないけれど。
「でもオレ的にオススメなのは、一人目の彼氏かな。他の二人は純ちゃんにやらしい事したいって顔してるけど、あの人だけは違うし。純ちゃんの事考えてくれてるのは、多分あの人だよ」
「でも、ホントに一番私の事を考えてるのは?」
「純ちゃんも分かってきたね。一番は、オレだから」