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純の恋人
第1章 欠陥品の彼女
けれど今は……私だけを見ていると言ってくれた。それは愛情ではなく、同情なのかもしれない。たとえそうでも、足元のおぼつかない私に大地をくれたのはイドさんだ。
「イドさんが一番好き、です。私を全部分かってくれるのは、イドさんだけだから」
家族も、私に近付く男の人も、医者も看護師も、皆私と話す時に、私越しに過去を見ている。ピースの欠けた私は、『吉川 純』じゃない。言葉にしなくても、皆そういう態度だった。
「あんまり嬉しい事言うと、もう入れちゃうよ?」
「入れて……私を全部、埋めてください」
どうせ、中はまだ田中さんとの行為で解れたままである。一番埋めてほしいそこが疼き、私はイドさんに抱き付いた。
「力抜いて、純ちゃん」
割り開かれる瞬間の、背中が泡立つような感覚が好きだ。押し進められる灼熱に、思わず変な声が漏れる。外だから気を遣わなきゃ、なんて冷静に考えられる頭は、とっくに吹き飛んでいた。
「ぅん……ぁ、はぁっ!」
一気に挿入されて、体に雷撃が突き抜ける。そして馴染むのを待てずに繰り返される抽送に、私はひたすら悶えた。