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第2章 ブラックヒストリーというやつ

ゆうみは奥手で性格も明るいとは言えず――彼氏が出来ないまま21歳になってしまう。
貴子は心配して、ゆうみが短大を卒業する頃、積極的にお見合いの話を持ってきたりした。
ゆうみは結婚する気などさらさらない。
まず、恋愛が出来ないのだからそれどころの話ではないし。
それなのに、理想だけは高いんかい！と、ツッコミを自分に入れたくなるが……理想は譲れない。
自分の妄想の中で作り上げた王子様の化身が現れるまで、シングルを通すと心に決めている。
妥協して手近な男と付き合うなら一生独身のまま、大好きなラノベやアニメに埋もれて死にたい――
と、本気で思っていた。