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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
こんな娘が、普通の社会人になれるか?
両親は心底危ぶんでいたのだが、意外や意外、ゆうみの就職はすんなり決定した。
面接を担当したのは茂野課長と丸谷昌美だった。
本当なら、副社長と次長がやる筈だったのだが、その頃会社の中ではノロウイルスが大流行していて、面接の当日副社長と次長、他の役職者達は皆欠勤していた。
そんなバカな、という程のタイミングだが、本当にそうなってしまったのだから仕方がない。
その時に会社に無事に出勤していたのが、商品開発課の茂野課長だけだった。
課長は異様な早口で、他の学生たちは言葉が聞き取れず、とんちんかんな回答をし、横に居る昌美は肩を震わせ、グフグフと笑っていた。
課長の質問が通じたのは、ゆうみと貴也だけだったらしいのだ。