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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
いつしかふたりは、ごく当たり前の同僚の間柄になっていた。
貴也に常にイジリ倒されることが、ゆうみに皆が興味を持つことにつながり、結果、交友関係ができあがっていった。
なにげにフォローをしてくれていたわけだ。
配属された商品開発課は一風変わった人間が多く、ゆうみも歓迎された。
「変人は変人を呼び、変人は変人を好む」という法則かもしれない。
貴也のお陰で馴染めたわけだ。
それも正直悔しいが。
真面目に悔しいが。
(男の子なんてわけがわからない――
あんなに仲良しで、私の事をわかってくれていたのに、突然押し倒して来て、その後は素っ気ないし……
レモンケーキひとつで犬みたいに喜んで私の頼み事を聞いてくれたのに、今は見る影もありゃしない。
何年間も無視されたと思ったら、同じ会社で毎日顔を会わす羽目になって……
今じゃうるさい位にからかってくるし……
本当に何なの!)