この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
――オワタ。
課長と昌美の呆気に取られた顔に、達成感さえ感じていた。こんなイカれたヤツを採用する人事担当者などいるものか。
ーーこれで落ちたも同然!良くやった、私!
面接会場から出た瞬間、ガッツポーズをした。
貴也は間違いなく採用されるだろう。
成績優秀スポーツ万能、生徒会もやっていたし、口もよく回るから面接の受け答えなどもお茶の子さいさいだろう。好感度バッチリ!な印象を面接官に植え付けて、あの憎たらしい程の爽やかスマイルでダメ押しだ。
けっ!せいぜい頑張りなさいよねっ。ふんふんふーんっ!
私は、なんとしてもあんたと同じ会社へ入る訳にはいかないんだから!
ーーだが、何故だか知らないが、ゆうみは受かってしまった。
勿論、貴也も。
50名の応募に若干名、2名採用という話だったから超難関で高倍率の求人だったのに、だ。
ゆうみは他にもいくつか入社試験を受けて2つ内定を貰っていたが、マスダジムを蹴って他へ行く、と言い張るゆうみを両親や貴子が許さなかった。