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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
ゆうみは、討ち入りでもするのか、という程の険しい顔で肩をいからせていた。
課長はこう訊ねた。
「あなたの人生の目標は?」
ゆうみは、極度の緊張に苛まれ、貴也が何故かこの会社――
"株式会社 マスダジム"
の面接に来ている事にも激しく動揺していた。
(貴也も受けるなんて聞いてない!
知ってたら来なかったのに――!)
股間キックから何年もまともに口をきいていないし、何よりも奴は、ゆうみがあの出来事の少し後に起こした事件――の詳細を知る人物なのだ。
ゆうみ自身も忘れたい、封印したい事件。
(貴也と同じ会社で働くなんてゴメンだわよ!)
「鈴田ゆうみさん?」
黙ってしまったゆうみに、課長の隣の昌美が声をかけた。
ゆうみは、目をカッと見開き絶叫した。
「もくひょう?もくひょう……死ぬ時は……畳の上でなく、金髪碧眼イケメン王子様の腕の中で息絶える!
そんな最期を迎えることですかねっ!」