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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
誰でも、ふれてほしくない過去はあると思うの。
やっちゃったことは消せない。
過ちでも、それは今の自分を形作っているもとなんだし……
なんだし。
うん。
でも!こんな風に考えられるなら、もう乗り越えたも同然じゃない?
バリバリ前向きじゃん!
私の黒歴史は、そんな簡単には乗り越えられないんだわ。
忘れたいけれど忘れられないし、無かった事にも出来ないけど、やっぱり無かった事にしたい。
穴があったら入りたい!
ショベルカーで地面を掘り起こして地球の裏側まで逃げたいわ。
なのに。
ああ、それなのに。
やつは、呼ばれてもいないくせに飲み会に乱入して、私の過去を暴露しようとしてんのよ!
「萩原貴也(はぎわら たかや)――!シャラーップ!
帰れっ!しっ!しっ!」
居酒屋の座敷の席で、ゆうみはビール瓶の蓋を手裏剣の如く投げ付けた。