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恋のたまご、割るのはダレ?
第2章 ブラックヒストリーというやつ
「 おまえごときの攻撃など、通じぬわ!」
貴也は、スーツの上着の裾を持ち、飛んできた何個もの蓋をかわした。
「ぐぬう!きさま、さては闘牛士だな」
ゆうみは唸る。
「ひょ――!さすが萩原さん!素晴らしい反射神経!」
大池 鉄平(おおいけ てっぺい)が、大喜びで手を叩いた。
小柄で童顔で、シンバルを叩くサルのオモチャに似ている。
「それで続きは?ゆうみの中学時代の赤っ恥……ふうぇっふぇふぇふぇ」
丸谷 昌美(まるたに まさみ)は、特徴のある声で笑った。
「うふふ。若気のいたりは誰でもあるから……
て、ゆうみちゃんは今でも全然若いけどね。二十一……うらやましいわ」
人妻の片川 紗由理(かたかわ さゆり)は、日本酒を色っぽい仕草でちびちび飲む。
「まあまあ、ゆうみ君、そんな怖い顔をしないで!飲みなさい」
課長の茂野 六郎(しげの ろくろう)は、丸い顔でにこやかに……いや、いつもこういう感じなのだが。
いつもの早口で喋りながらビールを注いだ。