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獣日和
第3章 浴室と淡い思い出
寝たふりなんてすぐにバレると分かってはいるが、ドキドキしながら樹が部屋から立ち去るのを待つ。
「しょうがねーな……」
(もう出て行ったかな……?)
樹の呆れたような声にそう思い、薄目を開こうとした瞬間側から声が聞こえてくると、途端驚く事になろうとは思いもしなかったが。
「結婚するまで諦めねーから」
話し声の後唇に伝わる熱と柔らかい感触。
それが自分に今何が起きたのか、ふみはすぐに気づいた。
……えっ。今……私樹からキスされた!?