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獣日和
第3章 浴室と淡い思い出

「湯船に浸かったら、すぐ上がるからね……」
ちゃぷっと湯船に右足をつけると、そのまま肩までお湯に浸かる。
そんなふみを追い掛けて、桜太もシャワーを浴びた後ふみの後ろに肩まで浸かった。
「うん、上がろう。……温まったら」
すぐ後ろから声が聞こえ、同時に髪へ息がかかる。
今浸かったばかりなのにもうのぼせそうになりながら、ふみは桜太へ話し掛ける。
「ねぇ桜太、そういえばシャンプーしてない……」
「ん、そうだね」
「……私からするから、目閉じてて」
「んー」
裸を見られることが恥ずかしくて、体育座りをしたまま前のめりになっていた。
……が、桜太が目を閉じたか確かめる為に振り返った瞬間桜太と目が合うと、腕を掴まれて胸を隠すことも忘れ息を飲んだ。
「ふみちゃん、もっとこっち近づいて」
「やっ……桜太……」
後ろから腰へ両腕を回されたかと思うと、肩に顔を置かれ、ギュッと抱きしめられる。
すると静かな浴室に響いてしまうんじゃないかと思うぐらい、ふみの鼓動は高鳴り、体温も更に上昇した。

