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逆襲のフィメス
第10章 果てさせられて
(やれやれ、どうしたものかな……)
この期に及んでなんとか言い抜けできないかと思案してみる。
だが、その目論見も、そのすぐ後ろから悠々とした足取りで現れたもう一人の女の姿によって崩れ去った。
それはひきしまった小麦色の肌と燃える赤毛の指揮官ラーナだった。
プレティディスは、下手に切り抜けようとすることをあきらめた。
ここに来てからの注意深い観察によって彼は知っていた。この豪放磊落を気取る女指揮官は、見かけどおりの雑把な性格ではない。
いや、雑は雑かもしれないが、勝負所を心得ているタイプだ。ここぞといツボを外さない。そして今、見つかったこの現場はここぞというツボ以外の何物でもないだろう。
(しゃあねえ! 成り行きに任すか!)
と、あがくのを早々に放棄したものの、それでもプレティディスにはなんとかなるという自信があるようであった。
「……ソフィアか、久しいな。どうしたこんな所で?」
ラーナはホールドアップ状態のプレティディスには目もくれず、ソフィアと呼んだ、プレティディスの見知らぬその兵士に気さくに声をかけた。
この期に及んでなんとか言い抜けできないかと思案してみる。
だが、その目論見も、そのすぐ後ろから悠々とした足取りで現れたもう一人の女の姿によって崩れ去った。
それはひきしまった小麦色の肌と燃える赤毛の指揮官ラーナだった。
プレティディスは、下手に切り抜けようとすることをあきらめた。
ここに来てからの注意深い観察によって彼は知っていた。この豪放磊落を気取る女指揮官は、見かけどおりの雑把な性格ではない。
いや、雑は雑かもしれないが、勝負所を心得ているタイプだ。ここぞといツボを外さない。そして今、見つかったこの現場はここぞというツボ以外の何物でもないだろう。
(しゃあねえ! 成り行きに任すか!)
と、あがくのを早々に放棄したものの、それでもプレティディスにはなんとかなるという自信があるようであった。
「……ソフィアか、久しいな。どうしたこんな所で?」
ラーナはホールドアップ状態のプレティディスには目もくれず、ソフィアと呼んだ、プレティディスの見知らぬその兵士に気さくに声をかけた。