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逆襲のフィメス
第11章 裸身の聖儀式
(これを逃せばもうソフィアと手合せすることなんかねぇ……最後のチャンスだ!)

 積年の想いを込め、向かい合って立つライバルの顔を睨むラーナ。

「そんな顔をしても無駄よ……ラーナ。私はひるまないわ」

 ソフィアはいたって平静だった。
 そして彼女もまた勝利への揺るぎない意志を、その口調の中に滲ませていた。

「これより、第二百五十期卒業試験、最終戦を行う……両名、武器を取れ!」

 審判を務めるのは校長であるクイーントリス将軍だ。

 フィメス軍を統括する重責を負いながら、明日のフィメス兵を養成するこの戦士学校をも束ねる女傑である。

 腰まで伸ばした金色の髪。上背のある完璧なプロポーション。

 生徒たちと同様の、胸と腰だけを覆う肌も露わな戦闘制服姿だが、彼女だけ身に着けている校長用の礼装マントがふわりと風に揺れ、美しい脚線美を引き立てていた。

 他国の者であれば、まだ二十代の若さで、しかも上等の気品を漂わせるこの女性が一国の軍を率いる将軍であるなどとは思いも及ばないであろう。

 柔和な表情を絶やさぬ人格者として、多くの生徒たちに慕われる彼女であったが、今日ばかりは厳めしい顔を崩さない。
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