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逆襲のフィメス
第11章 裸身の聖儀式
 ラーナとソフィアが闘技場中央から、校長のいる舞台端まで行き、武器棚から得物を選び取る。

「見ていろよ……」

 ラーナが手にしたのは両手でないと構えることの叶わぬ巨大な片刃剣。

「それでは私はこれを……」

 ソフィアは小ぶりな標準のフィメス軍刀を、しかし二本。

「ケッ……しゃらくせえ」

「無駄口は勝ってからにしましょう……お互いに」

 入れ込み気味のラーナに対して、ソフィアには余裕があるように見える。

 それぞれの手に持った剣の握りを確めながら、優美に鼻を押さえてクスリと笑ったその仕草がますますラーナの頭に血を上らせる。

「……両者、位置について!」

 合図を受けて二人が中央の開始線に戻る。

「我(われ)、汝(なんじ)と死の契りを結ばん。血に飢えし刃に処女を捧げん!」

 二人が合唱したのは「エンゲージ」と呼ばれるフィメス兵士の誓いの言葉だった。

 戦いに身を捧げるその宣言通りに、両名とも剣の柄にもうけられた「戦の婚約指輪」に指を通す。

 そして次の瞬間、ラーナの大剣が空を斬った。初手の一撃!
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