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逆襲のフィメス
第11章 裸身の聖儀式
 そこへ校長クイーントリスの裁定の声が響き渡った。

「決着! 勝者ソフィア!」

「……なっ?」

 だが、足もとに目を落としてラーナは確かに自分が敗北したと悟った。

 ソフィアに踏みつけられて手首が落ちたことによって、大剣のリボンが地についてしまっていたのだ。

「くそぅっ!」

 途端に力が抜け、膝を突いてしまったラーナは、込み上げる悔しさのままに拳を振り上げ敷石を叩く。

「第二百五十期主席卒業生ソフィア! 次席ラーナ!」

 頭上を通り抜けてゆくクイーントリスの宣言。

(クソッ……クソッ! クソッ! くっそおぉおおおおっ! どうしてっ……どうして俺はソフィアに勝てねぇんだっ! 畜生っ!)

「ラーナ、立てますか? 一歩及びませんでしたが貴女も見事でした」

 いつの間にか校長が傍まで来ていた。
 
 敗者に与える物なし、負ければ奪われるが定め。そう教えられて育ったラーナにとって、その慈悲に満ちた表情は屈辱以外のなにものでもなかった。
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