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逆襲のフィメス
第11章 裸身の聖儀式
    ※   ※    ※

 聖湯殿は学舎の裏の大岩の裏に作られた温泉である。

 一糸まとわぬ姿となって汗を洗い流したソフィアは、体を冷やさぬよう熱い湯に身を沈めて待っていた。

「準備は済みましたか……?」

 武人らしからぬ落ち着いた理知的な口調。ソフィアが真似して来た憧れの人の声が背後からかかった。

 振り返る。けぶる湯気の向こうに女将軍の裸身があった。

(クイーントリス……様)

 透き通るような白い肌。

 麗若き将軍の肉体は、鍛え抜かれてひきしまっており、それでいて美女の産地フィメスの女ならではの芳醇な艶やかさも兼ね備えていた。

 邪魔にならないように結い上げた金髪のほつれるうなじ、くびれたウェストからふっくらと張りだしたなだらかな尻へと連なる曲線。それは女神かと見紛う美しさだった。

 実際、ソフィアにとって彼女は神聖なる存在。憧れを越えた崇拝の対象だ。

 頭がぼうっとしてしまうのは浴場に立ち昇る熱気のせいではない。

(夢みたい……私……私……本当に主席卒業生になったんだわ)
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