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逆襲のフィメス
第14章 勃起堂々たる
「へっ……俺は隠し事ってのができない性分でね」

「ラーナ、失礼でしょう」

「いえ、ソフィア殿……ハッキリおっしゃっていただけて、私はむしろ気持ち良いですよ」

 カイオラルにはまったく動じた様子がない。ラーナはニヤリとした。

「スパイにしては面白い奴だな、お前」

「ハッハッハ……貴女も見学の案内人としてはユニークだと思いますがね」

 互いに不敵な笑みを浮かべたままバチバチと火花を散らす二人。

「私……クイーントリス様にお伺いをしてくるわ」

 困惑したソフィアは、それだけ言い置いて部屋から飛び出して言った。

「ヘッ……優等生ちゃんが……」

「彼女は任務に真面目なだけですよ」

「そこが気に入らねえのさ」

「貴女の彼女を見る目つきは逆のような気がしますが」

「なんだと!」

「おっと失敬……私も思ったままを言ったまでの事」

「チ……小賢しい口ききやがって」

 ラーナはソフィアによって開け放たれたままの扉を閉めると、錠を降ろした。

「……で? 実際の所どうなんだ? 何をスパイしに来たんだ」

「そう訊かれて素直に答えるスパイがいるとお思いですか?」

「そりゃそうだが……聞いてみても損はねーよな」

 ラーナの声は穏やかさと凄味を徐々に増していた。
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