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逆襲のフィメス
第17章 誘惑の淫売窟
※ ※ ※
ラーナに引かれるまま小走りに路地をゆくカイオラルが尋ねる。
「どこへ行くんです? ソフィア殿が……」
「ソフィアの事はほっとけ! あいつじゃあ案内できない所を見せてやるんだよ」
石造りの迷路さながらの曲がりくねった道をあちらへこちらへと惑うことなく進む様子から、ラーナには明確な行先があるようだ。
周りの建物はみすぼらしいものが増え、入り口や道端にうずくまるようにしている年老いた女の姿が目立つ。
「ここは……」
「スラムだよ……貧しい奴らが多い」
フィメス女は家族を持たない。恋人といっしょに暮らす女もいるが、独り身のままの乳母階級の女はさみしさを紛らすため放蕩に走り、身を持ち崩す者が多い。
そんな者たちが流れ着く先がこの界隈であった。
「スラム? そんな場所に一体何があるというのです」
「この店だ。淫売窟さ……ローメールにもあるだろ?」
石壁に囲まれた大きな邸宅のような建物の前でラーナはようやく脚を止めた。
ラーナに引かれるまま小走りに路地をゆくカイオラルが尋ねる。
「どこへ行くんです? ソフィア殿が……」
「ソフィアの事はほっとけ! あいつじゃあ案内できない所を見せてやるんだよ」
石造りの迷路さながらの曲がりくねった道をあちらへこちらへと惑うことなく進む様子から、ラーナには明確な行先があるようだ。
周りの建物はみすぼらしいものが増え、入り口や道端にうずくまるようにしている年老いた女の姿が目立つ。
「ここは……」
「スラムだよ……貧しい奴らが多い」
フィメス女は家族を持たない。恋人といっしょに暮らす女もいるが、独り身のままの乳母階級の女はさみしさを紛らすため放蕩に走り、身を持ち崩す者が多い。
そんな者たちが流れ着く先がこの界隈であった。
「スラム? そんな場所に一体何があるというのです」
「この店だ。淫売窟さ……ローメールにもあるだろ?」
石壁に囲まれた大きな邸宅のような建物の前でラーナはようやく脚を止めた。