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逆襲のフィメス
第17章 誘惑の淫売窟
 まじない婆さんの通り名の通り、占いもやるこの老婆は、客として訪れるフィメスの女たちに重宝されていた。そっちのほうが目的でこの淫売窟に来る者もいるほどだ。

 しかし、そのせいか詮索じみた物言いをするのがたまに傷だった。

「チッ……」

 舌打ちしつつも、老婆のことはそれ以上かまわずラーナはカイオラルを連れて勝手知ったる足取りで奥へと歩を進める。

 暗い廊下には、おそらくはそれぞれの客が楽しむ個室であろう扉が並び、ラーナはそのひとつを開けて中に入った。

 そこは大きな寝台が置かれた部屋だった。貧民窟に居を構える店だけあって、部屋の大きさは必要最小限。ベッドのひと回り分ぐらいしかなかった。

「それで……本当の所は何の用なのですか?」

 カイオラルはラーナをじっと見つめて尋ねた。

「……この間の続きだよ」

「この間の?」

「忘れたとは言わせねえぞ。お前の言う、真の男とはって奴だ」
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