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逆襲のフィメス
第18章 媚肉と剣の女
    ※    ※    ※

 ソフィアは焦っていた。
 路地をあちらこちらへと彷徨い探しながら、二人から目を離した自分を呪う。飴櫛はとうに投げ捨てていた。

 ラーナはともかく、賓客であるカイオラルの身に万一の事があったら……。

 戦士学校に戻って応援を頼むことも考えたが、それを躊躇ったのは事が露見してクイーントリスの知るところになのを恐れたためだ。

 だが、このままでは、叱責を覚悟で助けを求めるしかなくなってしまうだろう。

 そうなれば、配属先の希望について、女帝陛下に取り持って貰うという約束もふいになる。

 夕刻が迫るにつれ、遅い買い物や店じまいの帰り支度が始まり、最後の混雑で雑踏に人数は増し、いよいよ見つけ出すのは無理かとあきらめかけたとき、裏路地からひょっこりと姿を現したカイオラルが目に入り、ソフィアは安堵のあまり少し涙ぐんでしまった。

「カイオラル殿!」

 大声で叫ぶ。
 カイオラルもソフィアを認め、ホッとした表情を浮かべる。

「やあ、ソフィア殿……これは助かった」
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