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逆襲のフィメス
第18章 媚肉と剣の女
「遅いじゃねえか!」

 勝手に姿を消しておいて、酷い言い草もあったものである。

 ラーナが怒りに燃えて睨みつけているのはソフィアのすぐ隣のカイオラルだった。

「カイオラルッ! 勝負だ!」

「……それはもう終わったはずですが」

「勝負……ラーナ、何を言っているの?」

「ソフィア、お前は黙ってろ」

 そう言ってラーナが手にしていた剣をカイオラルに放る。

「お前が真の男だというのなら、逃げはしないはずだよな? 決闘を申し込む!」

「……なっ!」

 ソフィアは今度こそ言葉を失った。

 ――貴女達にフィメスを案内する役を命じます。数日のことですが、頼みましたよ。

 クイーントリスの言葉がソフィアの脳裏を駆け巡る。それがどうしてこんなことに!

「……ブッ殺してやるぜえ!」

 ラーナが大見得を切った瞬間、ソフィアは耐えきれずについに失神した。

 倒れ掛かる彼女を素早く抱き止めたカイオラルは、ラーナに向かって言った。

「可哀相に……ソフィア殿は私たちを必死で探して身も心も疲れ切っていたというのに」
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