この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆襲のフィメス
第18章 媚肉と剣の女
その寛容な人格でソフィアにも慕われる戦士学校の校長は、それでもやはり峻厳たる武人であった。
略奪を以て国是とするフィメスの女戦士たちを束ねる大将軍の顔がそこにはあった。
奪わなければ奪われる。殺すか、さもなくば死か。そんな修羅場を潜り抜けた者だけが問える覚悟のあり方。
「う……う、う……」
ようやく頭がハッキリしてきたラーナであったが、突きつけられた刃が、夕陽に照らされて赤い血の色に輝くのを目にしながら、自分の運命をどこか冷めた心境で受け止めていた。
(ハッ……ここで……終わるのか……俺の人生……。なんで……なんでこんなことになっちまったんだろうな……)
ローメールから来たこの男が現れたせいか? 卒儀容試験でソフィアに勝てなかったせいか? それとも……今、自分に死を突きつけているこの女のせいなのか? ソフィアがこいつに心奪われていたりしなければ……。
「ハハッ……」
乾いた笑い声がラーナの口からこぼれた。
(全く……よりにもよって、この女に殺されるとはお笑いだぜ)
だが、負けを認めるよはマシだ。
心残りもない。
いや。
胸をよぎるのは常に自分の上に立ってきた主席の少女の美しい面影。
(一度だけ……一度だけ、アツイを……)
略奪を以て国是とするフィメスの女戦士たちを束ねる大将軍の顔がそこにはあった。
奪わなければ奪われる。殺すか、さもなくば死か。そんな修羅場を潜り抜けた者だけが問える覚悟のあり方。
「う……う、う……」
ようやく頭がハッキリしてきたラーナであったが、突きつけられた刃が、夕陽に照らされて赤い血の色に輝くのを目にしながら、自分の運命をどこか冷めた心境で受け止めていた。
(ハッ……ここで……終わるのか……俺の人生……。なんで……なんでこんなことになっちまったんだろうな……)
ローメールから来たこの男が現れたせいか? 卒儀容試験でソフィアに勝てなかったせいか? それとも……今、自分に死を突きつけているこの女のせいなのか? ソフィアがこいつに心奪われていたりしなければ……。
「ハハッ……」
乾いた笑い声がラーナの口からこぼれた。
(全く……よりにもよって、この女に殺されるとはお笑いだぜ)
だが、負けを認めるよはマシだ。
心残りもない。
いや。
胸をよぎるのは常に自分の上に立ってきた主席の少女の美しい面影。
(一度だけ……一度だけ、アツイを……)