この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆襲のフィメス
第1章 プロローグ 夜の始まり
「その人物」は店内の退廃的な様子をざっと一渡り見渡すと、入り口のそばに立つ仏頂面の用心棒に声をかけた。
「踊り子はどこにいる?」
ともすれば喧騒に紛れてしまいそうな低い声。だが、用心棒はアゴをしゃくってすぐそばの階段を指し示した。
喧騒に慣れていて、呟くような問いかけでも聞き取れたのだろうか。あるいは、よくある質問なので、見当で応じただけなのか。
フードの人物にとって、それはどうでも良い事だった。礼も言わずに二階へ上がろうとする。
と、その背に用心棒が待ったをかける。
「500リンス」
二階への入場料なのだろう。呼び止められ、振り返ったフードの奥から軽い笑い声が漏れる。
「フ……取っておけ」
面倒くさそうに懐から取り出された一枚の銀貨が指で弾かれ、見事に用心棒の胸元に飛ぶ。
「踊り子はどこにいる?」
ともすれば喧騒に紛れてしまいそうな低い声。だが、用心棒はアゴをしゃくってすぐそばの階段を指し示した。
喧騒に慣れていて、呟くような問いかけでも聞き取れたのだろうか。あるいは、よくある質問なので、見当で応じただけなのか。
フードの人物にとって、それはどうでも良い事だった。礼も言わずに二階へ上がろうとする。
と、その背に用心棒が待ったをかける。
「500リンス」
二階への入場料なのだろう。呼び止められ、振り返ったフードの奥から軽い笑い声が漏れる。
「フ……取っておけ」
面倒くさそうに懐から取り出された一枚の銀貨が指で弾かれ、見事に用心棒の胸元に飛ぶ。