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逆襲のフィメス
第22章 罠に堕ちた女
ソフィアとカイオラルの打ち解けた様子に、門衛たちはどういうことかという顔をしていた。
「この方はエニミス女帝陛下にも謁見したことのある同盟国ローメールの将軍のご子息です。私がご案内しますから、通しなさい」
ソフィアがそう説明すると得心がいったようで、警戒を解く。
「どうぞこちらへ……」
と、ラーナの陣幕へと連れて行こうとしてソフィアは気づいた。
(ラーナはもう起きているかしら……)
朝、自分が目覚めた時ラーナはまだ裸身を晒して眠りこけていた。
そんな所をカイオラルに見せるわけにはいかない。
だが、衛兵に言って、準備をさせればいいだけのこと。そう思い直してソフィアは門衛をラーナへ知らせに走らせると、カイオラルを連れてゆっくりと歩き出す。
「ソフィア殿は相変わらずお美しい」
「あら、男もそんな事を言うのですね」
フィメスでは男がそのような事を言う機会はない。世辞とは女が女に向かって言う言葉だ。
「言いますよ……や、そうか。フィメスでは男がそんな事を言うのは生意気に聞こえますか?」
「貴方はローメールのお方ですから」
ソフィアは否定せずに、ただ事実だけを口にした。
「この方はエニミス女帝陛下にも謁見したことのある同盟国ローメールの将軍のご子息です。私がご案内しますから、通しなさい」
ソフィアがそう説明すると得心がいったようで、警戒を解く。
「どうぞこちらへ……」
と、ラーナの陣幕へと連れて行こうとしてソフィアは気づいた。
(ラーナはもう起きているかしら……)
朝、自分が目覚めた時ラーナはまだ裸身を晒して眠りこけていた。
そんな所をカイオラルに見せるわけにはいかない。
だが、衛兵に言って、準備をさせればいいだけのこと。そう思い直してソフィアは門衛をラーナへ知らせに走らせると、カイオラルを連れてゆっくりと歩き出す。
「ソフィア殿は相変わらずお美しい」
「あら、男もそんな事を言うのですね」
フィメスでは男がそのような事を言う機会はない。世辞とは女が女に向かって言う言葉だ。
「言いますよ……や、そうか。フィメスでは男がそんな事を言うのは生意気に聞こえますか?」
「貴方はローメールのお方ですから」
ソフィアは否定せずに、ただ事実だけを口にした。