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第22章 罠に堕ちた女

「ああ、カイオラル……」

　あろうことか、男の体を強く抱き返して、潤んだ瞳で間近な顔をみつめているではないか。

（ラーナ！　どうして？）

　ソフィアは目を丸くする。
　それに追い打ちをかけるようにカイオラルが驚愕の言葉を発する。

「そのような呼び方は教えていないぞ。ラーナ……ご主人様だろう」

「あ……申し訳ありません、ご主人様……」

（……なんですって！）

「そうだ。思い出したようだな。ご褒美をやろう」

　カイオラルがラーナの唇を甘く吸う。

「ンッ……ああ……んむっ……あふぅ」

　その腕の中で飴のようにとろけるラーナの肢体。

　一体目の前で何が起きているのか、ソフィアには理解ができなかった。いや、起きていることはわかる。だが、何故そんな事になるのか、全くわからない。

「ラーナ！　それにカイオラル殿……こ、これはどういう……」

「フフッ……ソフィア殿が驚いているよ、ラーナ。教えてやるがいい」

　カイオラルが不敵な笑みを浮かべてラーナに命じる。