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逆襲のフィメス
第22章 罠に堕ちた女
「ソフィアよ……」
魅入られたかのようにラーナの痴態に目を奪われていたソフィアにカイオラルが呼び掛けた。
それにはすでに敬称がなくなっていた。
「お前もまた、この姿を望むであろう。男の前に屈服し、全てを差出すことを悦びとする女になる」
「そ……そんな事……」
駄目だ。まともに答えてはいけない。
これは危険な問いかけだ。魔術の罠の入口だ。答えれば絡め取られる。逃れようのない投擲縄(ポーラ)のように。
ソフィアは後ずさり、腰の剣に手をかけた。
と、その背が何かにぶつかる。
振り返ると、そこにもう一人の男が立っていた。
(どこから……?)
何者かと思うより先に疑問に思う。だが、それを口にして尋ねるのはすでに悠長と言える事態だった。
「これは失礼をいたしました」
カイオラルと同じような慇懃無礼な口調。だが、その男の言葉にはもっと禍々しい不吉なものが感じられた。
ソフィアの背筋にぞっと冷たい物が走る。
魅入られたかのようにラーナの痴態に目を奪われていたソフィアにカイオラルが呼び掛けた。
それにはすでに敬称がなくなっていた。
「お前もまた、この姿を望むであろう。男の前に屈服し、全てを差出すことを悦びとする女になる」
「そ……そんな事……」
駄目だ。まともに答えてはいけない。
これは危険な問いかけだ。魔術の罠の入口だ。答えれば絡め取られる。逃れようのない投擲縄(ポーラ)のように。
ソフィアは後ずさり、腰の剣に手をかけた。
と、その背が何かにぶつかる。
振り返ると、そこにもう一人の男が立っていた。
(どこから……?)
何者かと思うより先に疑問に思う。だが、それを口にして尋ねるのはすでに悠長と言える事態だった。
「これは失礼をいたしました」
カイオラルと同じような慇懃無礼な口調。だが、その男の言葉にはもっと禍々しい不吉なものが感じられた。
ソフィアの背筋にぞっと冷たい物が走る。