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逆襲のフィメス
第22章 罠に堕ちた女
背の高い、痩せた男だった。青白い顔。だが、病的な弱々しい感じはしない。それは、質素で剛健な印象のカイオラルとは対照的に豪華に着飾っているその身なりのせいだろうか。厚手のローブ、首元の羽飾り、何重にも巻いたブレスレット、首飾り、額飾り。
いかなる生業をする者が、このように派手な出で立ちをするのであろうか?
ソフィアの知る限り、フィメス王族であるンニス姫であっても、女帝エニミスであってもここまでの豪奢な衣類装飾は身につけない。これは飾りを越えて、悪趣味という域すら越えて、ただひたすらに過剰だ。
「キガサリオ……来たか」
カイオラルが呟き、キガサリオと呼ばれたその男が応える。
「魔導結界もない陣営など、侵入するのはたやすい事……カイオラル様も、そのようにお連れできましたものを」
「旧交を温めるのにそんなやり方は無粋だろう」
「旧交……ハッ!」
乾いた笑い声。
「それでは始めましょうか」
キガサリオがソフィアの肩に置いた指の先を食い込ませる。
(な……何を……?)
いかなる生業をする者が、このように派手な出で立ちをするのであろうか?
ソフィアの知る限り、フィメス王族であるンニス姫であっても、女帝エニミスであってもここまでの豪奢な衣類装飾は身につけない。これは飾りを越えて、悪趣味という域すら越えて、ただひたすらに過剰だ。
「キガサリオ……来たか」
カイオラルが呟き、キガサリオと呼ばれたその男が応える。
「魔導結界もない陣営など、侵入するのはたやすい事……カイオラル様も、そのようにお連れできましたものを」
「旧交を温めるのにそんなやり方は無粋だろう」
「旧交……ハッ!」
乾いた笑い声。
「それでは始めましょうか」
キガサリオがソフィアの肩に置いた指の先を食い込ませる。
(な……何を……?)