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第23章 ラフィン凌辱

　他の仲間たちもその光景に気づいたようだ。ギョッとしたように皆、足を止める。

「降伏せよ！　お前たちの指揮官は捕まった！」

　ラーナを引っ立てている男が叫んだ。

（あの男……どこかで見たような……）

　ラフィンはカイオラルの事をよく覚えていなかった。だが、そんな事はどうでもいい。指揮官を捕えただと？

　馬鹿なことを。自分たちは今、敵兵に包囲されてこそいるが、陣幕を中心としているのだ。ラーナたちを取り囲んでいるのだ。すぐにでも取り返してみせる。

　ラフィンだけでなく、他のフィメス兵たちも皆そう考えたようだ。

「ふざけるなっ！　死ね！」

　一斉に陣幕へと殺到する。

　……と、飛びかかった者たちから順にバタバタとその場に倒れる。

（な、なんだ……？）

　ラフィンは目を疑った。
　普通ではない。
　何が起きたのだ？

　見れば、もうひとりの男――派手な衣服に着飾っている――が、片手を天高くつき上げていた。目を閉じ、何かブツブツと唱えている。