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第4章 婚礼前の水浴

　男たちが歓声を上げる。

「ヒャッホーウ！」

「ヒャーハッハッハ！　色っぺぇな！」

「聞かしてやりてえぜ、ログスの野郎にもよおっ！」

　と、その時だった。

　ひゅっと風を切る音がして、石つぶてが飛んだ。それが石つぶてとわかったのは、アンザロがぎゃっと叫んで頭を大きく後ろへのけぞらせてからだった。

　そして、次々と同じ音がして、アンザロだけでなく、ガニマとモインも悲鳴を上げる。

「あ、兄貴っ……あれ、陸の上っ……」

「し、しまった……」

　見ると、岩場の上にズラリと私の村の男たちが並び、手にした石をこちらに向かって投げつけていた。

　石は私には当たらない。
　当たるはずがない。村の誰だって、百発百中で狙った相手は外さない。そして狙うべき相手が誰かは明らかだ。

　村の男たちの真ん中にはログスが怒りの形相で立っていた。