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第1章 プロローグ　夜の始まり

　ソファは丸い小さなテーブルと比べてずいぶんな大きさで、ほとんどの席に客が一人ずつしか座っていないのは非常に贅沢にも思われる。しかし、それには理由があった。

　隣にかしずく踊り女に、酌をさせるのも待たず、彼女たちの薄絹を剥ぎ取り始める男たち。
中には、じっくりと構えて愉しむ者もいたが、最終的にやる事は同じだ。

　たちまち、広間は女の嬌声と男たちのいやらしい声色で一杯となり、やがてそれは艶やかな喘ぎ声と、荒い息づかいへと変わっていった。

「ンッ……ああっ……そんな所……」

「ウヒヒ、もうこんな濡らしておるではないか」

「はあんっ！　ア……あ……」

「堪ンねえな！　この揉み心地……」

「おしゃぶり、好きでしょ？　私もなの……」

「フハハ、お前の為に半年も掛けてカネを作ってきたのだぞ！」

　いかがわしく破廉恥な言葉が口々に交わされ、そしてそれに淫らな水音が加わり始める。

　ぴちゃ……ぷちゃ……
　くちゅ……ちゅく……
　じゅぷっ……じゅぷう……

「ん……くぅぅっ！」

「ふあっ……はう……」

「んっ……んっ……んっ……」