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色華短編集
第37章 4人の巻 市民プール
『はぐれちゃった…』

辺りを見ると澪を始め都、なつえの姿がない

[まぁ…いいか♪休憩時間になったらみんな荷物の所に戻ると思うし♪]

澪と違い楽観的な愛美は波の揺れをしばらく楽しんでいたが

[飽きた…]

1人だとつまらなく直ぐにプールから上がる

[そうだ!あっちにスライダーがある♪]

波の出るプールの横にあるスライダーに向かい列に並ぶ
しかし愛美の順番が来た所でスタッフに声を掛ける

『お嬢ちゃん、1人?』

『うん!』

万勉の笑みで答える愛美だが

『ごめんねぇ〜お嬢ちゃんの身長だと下にある小さいのか大人と一緒じゃないと駄目なんだよ〜』

『え〜っ!』

不貞腐れる愛美だがルールだから仕方無いと思った矢先

『じゃあ、僕が一緒に付き添うよ!』

後方にいた青年がスタッフに声を掛ける
フリルが着いているとはいえ露出度が高い水着の幼女、スタッフは警戒していると

『怪しいと思うのも無理ありません、なんでしたら身分を証明出来るものを全て提示しましょうか?』

しっかりと強い口調と水着とはいえ見た目の清爽感にスタッフは青年を信用する事にした


『わかりました…それじゃあ、お兄さんの言うことちゃんと聞くんだよ!』

『は〜い♪』

愛美は青年の横に並ぶ

『うちは愛美!ありがとう♪』

『よろしく!』

『お兄さん、1人?』

『うん、1人だよ…』

『ふ〜ん…』

愛美はしばらく見た後、ニヤッと笑うと青年に耳打ちする

『もしかして…彼女に逃げられた?』

『そっ!そんなこと無いヨ!』

さっきとは打って変わって動揺する青年

ジィィィィ…

愛美は青年の目をじっと見つめる

『ごめん…でも何故…わかったの…』

観念した青年は訪ねると

『なんか浮いている感じがしたんだもん♪たぶん、来たのはいいけどけんか別れした感じかな…』

青年は図星を突かれへこむ

『元気出して!今日は愛美ちゃんが慰めてあげるよ♪』

笑いながら青年の背中を叩く

『しかし、愛美ちゃんは何でもお見通しなんだね…』

『へへ〜ん♪』

得意気に笑う愛美

『じゃあ、お言葉に甘えようかな…でもパパやママは?』

『今日はおばちゃん達と来たの♪はぐれちゃった♪でも休憩時間になったら戻るから大丈夫♪』

青年は元気よく笑う愛美を信じる事にした…





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