この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただ一つの一対
第5章 花園の鍵は

「叔父さん……?」
「いえ、最近の子は早熟ですし、初めてでなければ価値がないなどとは言いません。何も問題はないのですから……」
菖蒲ではなく自分自身へ言い聞かせるように呟くが、菊の手は止まってしまっている。菖蒲は慌てて首を振ると、菊にたどたどしく訴えた。
「違っ……違うの! 誰かとこんな事したりしてないよ、あたし……初めてだよ。敏感だっていうのは、多分……その、あたし、自分で、してた……からだと思う」
思わぬ菖蒲の告白に、菊は目を丸くする。いたたまれなくなった菖蒲は菊の胸に顔を埋めると、半ば投げやりに呟いた。
「叔父さんの事考えてたら、体が熱くて……どんな風にしてくれるのかなって思ったら、止まらなくなっちゃって……しょうがないじゃん、好きなんだもん!」
たった一言の告白で、菊の心を渦巻いていた靄は一瞬で晴れる。簡単な自分の心理の変化に自嘲すると、菊は菖蒲の淫芽を再び撫で始めた。
「好きだとは、この行為が? それとも僕が? どちらですか?」
「はぁっ、あ……そんなの、叔父さんがに、決まってる……んっ」

