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ただ一つの一対
第6章 夢の終わり
 






 病弱で大人しい子どもから、不敵な笑みの似合う男に成長したはずの菊。彼は夜中である今も、所有するビルで仕事をしなければならない程に忙しい。だが今片倉の前で眉間に皺を寄せる男は、子どものわがままをこねてそっぽを向いた。

「嫌です。なんで僕がわざわざ他人を抱いてやらなきゃならないんですか」

「愛人との良好な関係は、安定した収入の源だと言ったでしょう! 若はご自分の立場をお忘れですか」

「ヤクザは必ず愛人を作らなければならない、なんて法律はどこにもないでしょう。僕は菖蒲を泣かせるような真似を、たとえ絶対知られなくともしたくはありません。もう枕営業のような安易な真似はしませんから」

 片倉は、どんな経緯があったか聞いてはいない。が、いつの間にか菊は姪である菖蒲と結ばれていた。女を捕まえてくるのはよくある話で片倉も目をつぶっていたが、今回ばかりは口を挟まずにはいられなかった。

「では若が今まで安易に手を出した女はどうなさるのですか。本命が現れたからと切り捨てれば、大いに恨まれますよ」

「それで恨むくらいなら、所詮はそれまでの女だったという話です。そんな器量の狭い人間は、元より必要ありません」
 
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