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身代わり愛
第2章 キモチ
LINEの音だ。
握っていたスマホの画面を覗く。
「…もう作ったの?」
「ち、…違わないですね…」
葛城はなんとなく分かってしまったようで、何も言えなくなった。
『今日、会えない?』
あのときの顔を思い出してドキドキするあたし。
にやりと微笑むあの顔がまさに妖艶という感じで、色気があって…正直綺麗だなって思ってしまった。
――会いたい
けど…
『ごめんなさい。今日はいけな』
「ちょっと貸しなさい!」
「あっ!」
ピコッ…
あたしの打った文章は消されて、
『あたしも会いたかった』
と先輩に打たれ送信されていた。
「せせ先輩!」
「…今日、残業しなくていいからね」
甘いベリーの香りがした。
先輩…、あたし、このカンケイダメだと思っているのに…。
でも、嬉しく思ってる自分もいて…。