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身代わり愛
第2章 キモチ
「今の貴方にぴったりだと思ったの。もらってくれる?」
「もちろんです…!ありがとうございます」
先輩からの大切なネックレスを持って、化粧を直しに行った。
先輩の優しい笑み。なんだか、胸が熱くなった。
「…うわぁ」
夕方ともあって化粧が崩れていることに泣けてくる。もう少しで三十路のあたしもそろそろやばいかな…。
婚活だよね…もう遅れ気味だけど。
ふと浮かぶのは元彼。
そして、あのアキラという人。
セフレでもいいって…あたしの身体目当てなだけだって言ってるような気がして。
「はぁぁ…」
最近、本当にため息しか出てこない。
パラパラ雨が降ったり、すぐに止んだりというハッキリしない空模様と同じくあたしの胸元も。
でも、今更悔やむことない。
…カンケイをやめようとか言って嬉しがってるんだもん。
このままの関係でもいから…会いたい。
鏡に映るあたしの顔はちゃんと意思を固めた顔だった。
チークを取り出し淡いピンク色に頬を染め上げ、唇を艶やかな赤色に塗った。目元もさらりと終わらせると、なんだかいつもより綺麗に見えた。
本当に女性というのは不思議なものだ。