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身代わり愛
第3章 サイカイ
低音ボイス。
耳が痛くなるようなこの声。
咄嗟に振り向いてしまった。
「俊…」
元彼の姿があった。
「もう、彼氏作ったんだ」
「…だから何」
強気で立ち向かう。
あの時とは違う…、関係はもう終わっている。
「へぇ…随分強気なんだな」
「…用がないなら…さっさといなくなってよ」
手首を引っ張って、あたしを引き用せようとした。
あたしは必死に抵抗した。
「やだっ!」
「おい」
俊の上にアキラの手が乗った。
ギリリと圧力がかかれば俊は手を引いた。
「…彼氏とかじゃなくてセフレとか?」
嘲笑うようにしてあたしを見た。
動揺していないはずだったのに彼女の瞳は微かに揺れた。
「見損なったわ~。まあもうしらねぇけど」
ズカズカとイラついたように歩いて去っていく俊。
あたしはその場で腰を抜かしてしまった。