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身代わり愛
第3章 サイカイ
彼の首元に顔を埋め、唇を肌に触れさせた。
「!?」
ちゅっ
「朝のお返し…。これ消えるまでに連絡しなさいっ!!」
あたしは振り返らず走って逃げた。
はぁはぁ、息を切らして周りに見られたとしても知らない。
…もう、会えないかもしんないって思ったら、止まらなかっただけ。
「…あぁっ」
地下鉄に乗って、ふうと息を着いたとたん涙が溢れた。なんの涙か、もうわからない。今日あったことを思い出すだけで、気持ち悪くなりそうだ。
また、連絡してくれる?
あたし、本気なんだけど。
ただの軽い女だと思ったら容赦しないよ。
そんなこと思ってたって会えるかなんて保証できない。
掻き毟ってでてきた液体が、とめどなく溢れかえった。