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ガラスの靴がはけなくても
第6章 年下の男の子
仕事の話に休日の過ごし方。
自然と弾む会話はどれも澤村くんが流れを作ってくれている。
共通点なんて同じ会社なことくらいしかないのに、次から次へとネタを提供してくれる彼は営業職が天職な上に女の扱いになれていること間違いなし。
美味しい料理に楽しい話とくればお酒も進んでしまうわけで。
四杯目のビールを注文しようと思ったところで、
「はい。藤野さんはウーロン茶にして下さいね」
ストップをかけたのは澤村くん。
「別に俺は構わないんですけどね?」
「え?」
「藤野さんが前の飲み会みたいにつぶれても」
そう言って頼んでくれたのはウーロン茶だったのだけど。
お酒の火照りじゃなくて、別の何かで顔が熱くなったのが自分でも分かった。