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ガラスの靴がはけなくても
第6章 年下の男の子

差し出したお金は受け取ってもらえなくて、愛想のいい店員さんに頭を下げて店を後にした。




「駅まで歩いてもいいですか?」


その問に返事をする暇もなく繋がれた手を引かれ歩き出す。

突然に繋がれた手を離すことが出来ないのはいつもの雰囲気と違うから……何故だか寂しく見えたから。

前に澤村くんに鈍感って言われたことを思い出した。だけどチクリと胸が痛むのは、私は彼が思っているより鈍くない証拠だと思う。

動揺してる。
澤村くんの問に。
その動揺が彼に伝わってることも分かってる。

それが分かっていても自分と彼をフォロー出来る言葉が出てこない。

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