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ガラスの靴がはけなくても
第8章 眠りたくない夜
『アイツが藤野をみて追いかけてきたら藤野の勝ちだ。今でもなんとも思っていなかったら見向きもしない。その後のことは自分で考えろ』
さっきの部長の言葉が頭の中でよぎった。
部長の言う、勝ち負けで言えば私は勝ったらしい。
だけど、その後私が追ったのは部長だったから結局部長の勝ち。
部長は絶対にこの勝負の結末を分かっていたはず。
してやられたりだけど、結局これが全ての答えだったと思う。
色々とごちゃごちゃ考えていたはずなのに、いざとなれば自分でも驚く程に気持ちは一つにまとまっていた。
そう、私はあの時目の前に"元カレ"がいたにも関わらず去っていった部長を追いかけることを選んだんだ。
それもなんの迷いもなく。